カンボジア地雷撤去キャンペーン
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カンボジアスタディツアー参加者感想
CMC第13次スタディーツアー                  小林 圭子


私がこのツアーに参加した目的は、地雷撤去の現状を自分の目で確かめてくることでした。このツアーで実際に見て感じたことをお伝えします。
今回撤去作業を視察した地雷原はボックナウという村で、本当に何もない平野に家がまばらに建っているといった小さな村でした。この村に到着して一番に目に入ってきたものが、普通の家の庭にドクロマークの板が立っている光景で、一体どこから地雷原でどこからクリーンな場所なのかはっきりした境が分からず困惑しました。
確かに本やテレビによって、このような光景が地雷国では当たり前のように存在しているということは知ってはいましたが、実際にその光景を目の当たりにして、自分はクリーンにされた安全な場所しか歩けない(恐怖で)のに、すぐ目の前にはそんなことなんて気にしていられずに地雷の埋まっている場所で普段の生活をしている人たちがいるということに非常に胸が締め付けられる思いでした。
 しかし、これがカンボジアの多くの場所で未だに残っている現実であり、この現実を思い知らされる一言を聞いて衝撃を受けました。それは、エマージェンシーホスピタルで出会った地雷被害者のカ・サラさんの一言で、地雷被害に遭ったことをどう思うかという質問に対し、「事故は当たり前のことだった」と仰ったことでした。
カ・サラさんの住むパイリン州はカンボジアで3番目に地雷被害の多い州であり、彼の周りでも地雷被害者が多く、彼自身も地雷原とわかっていて仕事をしていた為に事故を当然のものと考えているのでした。しかし、地雷被害を当然のことと受け入れては絶対にいけないし、この考えに至ってしまう現状に非常に怒りと悲しみを感じました。しかしその一方で、これほどまでに地雷被害が身近にあるにも関わらず、地雷被害者に対する偏見が強いという話を聞いて疑問を感じたのですが、大谷代表からここでは「地雷被害者は前世で悪事を働いた者がなる」という考えがあることを伺って、納得できました。
この偏見の問題は周りの人々も、そして何より地雷被害者自身も、被害に遭った個人を責めるのではなく、地雷原を作り出した政治背景に目を向けそれを問題視しなければ偏見も被害者の自立心も解決しないように思います。
現在、ポルポト裁判が始まったことをきっかけに、戦争が終わった今でもなお戦争被害が起きていることに注意が注がれ、戦争被害者の保護や支援をもっともっと充実されて、被害者の方々が生活しやすい社会に向かうことを願います。

 地雷撤去の話に戻りますが、正直地雷撤去作業があんなに時間のかかるものだとは思っていませんでした。
ディマイナーの方に撤去作業を実演して頂いて、金属探知機のかけ方も想像以上にゆっくり丁寧に動かしていましたし、実際金属反応が見られて掘り出すまでの作業も本当に慎重で、この作業を地雷でも地雷ではなくても同様に一つ一つ確認していかなけらばならないことを考えると、常に集中力と緊張感を維持したままで本当に気が遠くなるような大変な仕事だと感じました。そしてまた改めて、地雷撤去車を使った撤去作業が効率的でかつ安全であるように感じました。

 話は変わって、カンボジアに対する印象のお話をさせて頂くと、カンボジアという国は確かに地雷や人身売買、エイズ問題といった本当に厳しい問題を多く抱えているのではありますが、そこに住む人々の精神状態は確実に日本の人々よりも穏やかで平和的であるように感じました。そして、ツアーを通して多くのカンボジア人と接してみて一番、大人の表情にはっとさせられました。
ツアーでは小学校や孤児院にも行き、人懐っこく本当に素直で元気な笑顔を見せてくれる子供たちに私もたくさんの笑顔と元気をもらいました。しかし、私にとって日本との差を大きく感じたことが、大人も子供のような笑顔をわたしたちに見せてくれることでした。彼らは日本に比べたら非常に生活が貧しくて不便であるように思えても、不幸そうな表情ではなくとても純粋で素敵な笑顔をしていて、日本に帰国して更にこの差を実感し、本当の心のゆとりや幸せ感は金銭や便利さから得られるものではないことを改めて感じさせられました。

 最後に、このツアーに参加する前は、初めての海外で知り合いもいないなか地雷原へ行くということで、親を含め私自身も大きな不安を抱えていたのですが、大谷代表や現地駐在員の方々、また一緒に参加した皆さんのおかげで本当に楽しく密度の濃い旅を過ごすことができ、カンボジアという国をきっと観光で訪れるよりもずっとずっと好きになった気がします。
これからこの経験を活かして、自分自身もそして周りの人たちにも少しでも何か影響を与えられ成長につながるように努力していきたいと思います。
 
このツアーを企画準備して下さった、大谷代表、とわたくん、あけさん、ピセット、ピトュ、そして一緒に同じ体験を共有できた18名の参加者に本当に心から感謝致します。
すばらしい機会を与えて頂き本当にありがとうございました。


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